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インターネッツ

『ワァンタジー・ワールドの誕生』 今福龍太

まとめ

観光は、幻想によって創られる。原始的な世界を見つめているのは今や観光だけだ。

人々がメディアの中で知った観光地のイメージ・幻想を観光地で消費する。新しい発見はそこにはなく、写真を撮り・お土産を買うことで観光地を消費する。

原始的な観光地に住む原住民と現代的な観光客の関係は平等ではない。観光地を植民地的に支配している気持ちがどこかにある。

 

読後感

日々の生活では触れることのないようなモノ・コトに触れる機会を与えるのが観光なのではないか。未知の体験をすることに観光の意義があると思う。著者もおそらく観光とはそういう体験だと思っているのだろう。観光すると決めてきたものを写真やお土産で消費する。これは観光の良さが全くなく,日々の生活となんら変わらない。観光客は観光地で待遇を受けるべきでもなければ,粗雑な扱いを受けるべきでもない。独立していて,偶然の出会いを生むような存在であるべきなのではないか。