『Not I, not I. . .』中沢新一『純粋な自然の贈与』より
まとめ
インディアンには,贈与の文化があった。贈り物をしたり,お返ししたりすることで「贈与の霊」を動かす。贈与は,「もの」と「ひと」の間にきずなを生む。
それとは反対に,売買は分離の力をはらんでいる。貨幣は,無から有をつくりださない。そこでは贈与の霊は死んでいる。
すばらしいアイディアは,まるで贈り物のように頭脳に宿る。思想も芸術も,もともとは無の領域から贈られた贈与だった。しかしいったん表現されると,財産につくり変えられる。
本当は,無からの贈り物なのだ。
Not I, not I, but the wind that blows through me.
読後感
豊かさとは,魂の豊かさ。資本主義が無視している側面だ。
貨幣は,信用できない人々同士をつなげる代わりに,もともとあったつながりを断ち切ってしまった。
モンスーン気候的な自然の脅威を,人は理性によって克服してきたが,何が間違っていたのだろうか。考えさせられる。
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きっと会話を盛り上げてくれるはずだ。