『貨幣共同体』岩井克人『貨幣論』より
まとめ
貨幣それ自体にモノとしての価値は全くない。しかし,貨幣を使う共同体の中では,貨幣を使うことができる。貨幣共同体を成立させているのは,人々が貨幣を貨幣として使っているという事実のみである。
貨幣がモノと交換可能であり,貨幣が貨幣として未来永劫使われることが説得できなければ,貨幣は受け入れられない。
貨幣を使うたびに,貨幣を貨幣として成立させた歴史の始源を繰り返している。
読後感
『信用の新世紀』によると,「貨幣とは,その次も貨幣として使えることが保証できるもの」。
貨幣共同体は,壮大なスケールのババ抜きなのかもしれない。最後まで貨幣を持っていた者が命をすてる。